浅草 都鳥MIYAKODORI · ASAKUSA
浅草 都鳥

都鳥資料室

芸者衆・見番・置屋・料亭の仕組みと歴史を、浅草で聞いた話と花柳界の本から、出典を添えて一つずつ記録しています。

テーマ 11項目 119用語 96

気さくな浅草芸者の語り合い

ごろうさんは、2026 年に引退された、当時の浅草でいちばん上のお姉さんです。都鳥の女将とは、戦友のような仲。昔のお座敷のこと、節分のお化けのこと、二人で出かける野球のことまで、気さくに語り合っています。

ごろうさんと都鳥の女将(2026 年 5 月・英語の字幕つき)。YouTube で見る

芸者衆に聞いた話

芸者衆や女将、元箱屋の慶さんに、都鳥が話を聞いた動画です。押すと YouTube で開きます(英語の字幕つきのものもあります)。

ほかの動画を見る(11 本)

テーマから探す

テーマは 11 あります。1 から順に読むと、花柳界の全体がつかめるように並べています。気になるテーマから読んでもかまいません。

  1. 1はじめに芸者とは・立方と地方・半玉と一本・幇間読む →
  2. 2見番・置屋・料亭の仕組み芸者衆の立場・箱屋・お座敷に出るまで読む →
  3. 3花柳界の年表江戸の吉原・深川から今の浅草まで読む →
  4. 4芸者と遊女の違いよくある取り違えを本と証言で読む →
  5. 5浅草花街の記録人数の移り変わり・幇間・料亭読む →
  6. 6芸者衆の装い髪・着物・化粧読む →
  7. 7お座敷の決まりと遊び流れと作法・お座敷遊び・聞いた話読む →
  8. 8東京の芸者と京都の芸妓・舞妓呼び名・装い・踊りの流派の違い読む →
  9. 9芸者衆の芸と踊り浅草の曲・お座敷の芸・稽古読む →
  10. 10幇間起こり・江戸の仕事・今のお座敷読む →
  11. 11都鳥の女将が見てきた浅草生い立ち・半玉の日々・女将の今読む →

項目から探す

押すと、その項目を開いた状態でページが開きます。

言葉から探す

花街(かがい)
芸者衆が活動する町。浅草の芸者衆や女将は「かがい」と読む。
花柳界(かりゅうかい)
芸者衆と、そのまわりの世界全体。
お稽古(おけいこ)
三味線・お囃子・踊り・唄・所作を、師匠について習うこと。芸者衆は毎週通う。
立方(たちかた)
お座敷で踊りを受け持つ芸者。
地方(じかた)
三味線と唄を受け持つ芸者。
洋髪(ようはつ)
日本髪ではない、今の髪型。地方はこの髪型でお座敷に出る。
鳴り物(なりもの)
鼓や太鼓などの楽器。
見習い(みならい)
芸者になる前の修行の期間。半年から 1 年ほど。
半玉(はんぎょく)
修行中の若い芸者。振袖に花かんざしの装い。
一本(いっぽん)
一人前の芸者。半玉から何年かして一本に変わる。
幇間(ほうかん)
芸者衆を引き立て、お座敷を盛り上げる役。男芸者・太鼓持ちとも呼ばれる。
見番(けんばん)
芸者衆が登録する花街の組合の事務所。浅草では東京浅草組合。
置屋(おきや)
芸者衆が所属する家。お母さんと呼ばれる人が弟子を取って育てる。
自前(じまえ)
置屋から独立して営む芸者。
よそ土地さん
浅草から見た、よその花街の言い方。
芸者をかける
お座敷に芸者衆を呼ぶため、声をかけること。
踊子(おどりこ)
江戸で宴に呼ばれて踊った女の芸人。本は芸者の前身と書く。
吉原(よしわら)
江戸でただ一つ公に認められた遊郭。元和 3 年(1617)に許された。
新吉原(しんよしわら)
明暦 3 年(1657)に浅草の裏手へ移ったあとの吉原。浅草の花街(観音裏)とは別の場所。
見板
安永 8 年(1779)に吉原にできた、芸者を登録して取り次ぐ所。本は見番の始まりと書く。
酌人(しゃくにん)
お酌をする人。江戸時代、吉原の外の芸者は制度の上ではこの扱いだった。
猿若町(さるわかまち)
天保の改革で江戸三座の芝居小屋が移された浅草の芝居町。
櫓下芸者(やぐらしたげいしゃ)
猿若町の芝居茶屋に生まれた芸者。浅草の芸者衆のもとの一つ。
鑑札(かんさつ)
役所が営業を認めた印。明治 5 年から、鑑札を受ければ誰でも芸者として認められた。
娼妓(しょうぎ)
明治以降の公娼の制度で、遊女に代わって使われた呼び名。
手古舞(てこまい)
祭りの行列で、芸者衆が練り歩く時の装い。大正 12 年の三社祭の手古舞は語り草になった。
浅茅会(あさじかい)
昭和 25 年(1950)に始まった浅草の芸者衆の踊りの会。のちの浅草おどり。
遊女(ゆうじょ)
江戸時代の遊郭などで、色を売ることを仕事にした女性。芸者とは別の仕事。
花魁(おいらん)
遊女の呼び名の一つ。
吉原芸者(よしわらげいしゃ)
吉原の芸者。江戸時代に公に芸者と認められたのは吉原芸者だけだった。
町芸者(まちげいしゃ)
吉原の外の町で芸者を名乗った芸者。深川・柳橋など。
取り持ち(とりもち)
宴の席をにぎやかにし、場をまとめること。芸者の務めの一つ。
男芸者(おとこげいしゃ)
男の芸人。女の芸者が増えてから、もとの男の芸者がこう呼ばれた。
貸座敷(かしざしき)
明治以降、遊女屋に代わって使われた呼び名。
花魁道中(おいらんどうちゅう)
花魁の行列。今の浅草では、祭りなどで再現される。
観音裏(かんのんうら)
浅草寺の観音堂の裏手。浅草の花街がある辺り。明治の末に浅草公園から移った。
料亭(りょうてい)
料理を出し、芸者衆を呼んで宴を開く店。
待合茶屋(まちあいぢゃや)
芸者衆を呼んでお座敷遊びをする店。昔の浅草では料亭よりずっと多かった。
箱屋(はこや)
芸者衆の三味線を運び、着付けや取り次ぎをする人。見番で働く。
俥屋(くるまや)
人力車の店。昭和 40 年代まで、浅草の花街の中に 2 軒あった。
日本髪(にほんがみ)
髷を結った昔からの髪の形。今の浅草の芸者衆は、基本はかつらで結う。
桃割れ(ももわれ)
半玉の髷。
高島田(たかしまだ)
一本の芸者の髷。花嫁の文金高島田とは別。
つぶし
高島田より低く軽い髷。年を重ねた芸者が結う。
笄(こうがい)
髷を横に貫いて挿す髪飾り。
元結(もっとい)
髷の根元を結ぶ紐。黒の引き着の時は紅白。一般には「もとゆい」と読む。
引き着(ひきぎ)
裾が長く、歩くと引きずる着物。お引きずりとも。
色変わり(いろがわり)
1 月の黒の引き着のあとに着る、黒ではない三つ紋の付け下げの引き着。
柳結び(やなぎむすび)
東京の芸者の帯の結び方。
肩上げ(かたあげ)
七五三の子どもの着物にするのと同じ、肩の縫い上げ。半玉の振袖にもする。
はしょり
裾を引かずに、腰のところで着物の丈を整える着方。
ぽっくり
半玉が外で履く、高さのある下駄。中に鈴が入っている。
鬢付け油(びんつけあぶら)
日本髪を結う時に使う油。白塗りの下地にも使う。
三つ襟(みつえり)
白塗りの時、うなじの形を塗り残して描くこと。
お座敷をつける
お座敷で芸者衆が踊りを披露すること。花柳界の言い方。
上座(かみざ)
床の間に近い、いちばん上の席。
下座(しもざ)
出口に近い席。いちばん下の人が座る。
高上がり(たかあがり)
お姉さんより上の席に上がること。「高上がり失礼します」と言ってから座る。
お開き(おひらき)
お座敷の終わり。締め方に決まりはない。
中締め(なかじめ)
宴の途中で一度締めること。お座敷の最後の呼び名ではない。
脇息(きょうそく)
座った時に肘をのせる肘掛け。金毘羅船々では二人の間に置く。
袴(はかま)
ビールの瓶の下にかぶせて水滴を受けるもの。金毘羅船々で取り合う。
和藤内(わとうない)
浄瑠璃『国性爺合戦』の主人公。とらとらの三つの姿の一つ。
投扇興(とうせんきょう)
扇を投げて的を落とし、落ちた形で点を競う遊び。
罰杯(ばっぱい)
お座敷遊びで負けた人が、小さな盃で飲む 1 杯。お酒でなくてもよい。
お化け(おばけ)
節分に芸者衆が仮装をして芸を見せる習い。
ヒレ酒(ひれざけ)
フグのひれを炙って熱燗に入れたお酒。
芸妓(げいこ)
京都での一人前の芸者の呼び名。本によっては「芸子」と書く。
舞妓(まいこ)
京都での見習いの呼び名。東京の半玉にあたる。
屋形(やかた)
京都で、芸者衆が所属する家の呼び名。東京の置屋にあたる。
だらりの帯
京都の舞妓が締める長い帯。
江戸小紋(えどこもん)
全体に柄のある着物。東京の芸者の引き着。
付け下げ(つけさげ)・色変わり
裾に模様のある着物。京都の芸者に多く、浅草でも時季によって色変わりの引き着を着る。
井上流(いのうえりゅう)
京都の祇園に伝わる日本舞踊の古い流派。
花柳流・藤間流
日本舞踊の流派。浅草の芸者衆はこの二つを習う。
浅草名物(あさくさめいぶつ)
浅草のために作られた曲。浅草の名所を唄い、扇子と手で様子を描いて踊る。正式な名は「伎競浅茅賑」。
さわぎ
東京の花柳界のほとんどで踊られる、吉原から来た曲。お座敷では一本の芸者が踊る。
名物さわぎ(めいぶつさわぎ)
浅草名物の冒頭からさわぎへ続けて踊る形の通称。
浅草ごよみ
季節を唄う曲。春・夏・秋・冬の四つがあり、振りは毎年変わる。
毛氈(もうせん)
お座敷をつける時、地方が座る所に敷くもの。
一丁一枚(いっちょういちまい)
三味線と唄を別の人が受け持つ形。
大和楽(やまとがく)
昭和 8 年(1933)にできた、女性が中心の邦楽。ハモるのが特徴。
細棹・中棹・太棹(ほそざお・ちゅうざお・ふとざお)
三味線の三つの種類。曲の種類で使い分ける。
太鼓持ち(たいこもち)
幇間の別の呼び名。浅草では「ほうかん」と呼ぶ。
幇間をかける
幇間にお座敷を頼むこと。「芸者をかける」と同じ言い方。
太夫衆(たゆうしゅう)
昔、料亭や芸者衆が幇間を呼んだ名。由来は本によって違う。
気働き(きばたらき)
相手の気持ちをくみ、先回りして気を配ること。江戸の本は、幇間にいちばん求められたのはこれだと書く。
河東節・一中節(かとうぶし・いっちゅうぶし)
江戸の古い三味線の語り物。吉原の座敷で幇間が語り継いだと本は書く。
一本披露目(いっぽんひろめ)
半玉から一本になる時のお披露目。
長唄(ながうた)
江戸時代の三味線の音楽。
清元(きよもと)
江戸時代の後期にできた、三味線で語る音楽の流派。
小唄(こうた)
お座敷で歌う、短い三味線の歌。
花柳流(はなやぎりゅう)
日本舞踊の流派の一つ。浅草の花街の踊りの中心。
師範代(しはんだい)
流派から、踊りを教える資格を認められた人。
新派(しんぱ)
明治に生まれた日本の芝居。歌舞伎に対する新しい芝居としてこう呼ばれた。
一見さんお断り(いちげんさんおことわり)
紹介のないはじめてのお客様を受けないこと。都鳥はこれをやめた。

この資料室について

浅草の花柳界は、昔に比べるとずっと静かになりました。それでも見番があり、置屋で育つ若い芸者がいて、お座敷は今も続いています。受け継がれている仕組みと、そこで聞ける話を、読む方が自分の言葉で人に伝えられるように残していきます。

この資料室は、浅草で 1950 年から続く待合茶屋(芸者衆を呼んでお座敷遊びをする店)の都鳥が、浅草で直接聞いた話(証言)を大切にしてまとめています。人や時代によって覚え方の違う話もあり、書いてあることが必ずしも正しいとは限りません。違うところに気づいた時は、「知りたいことを送る」から教えてください。確かめて直していきます。

出典の見方:証言浅草で直接聞いた話 本花柳界の本の記述