着物で浅草散策!一日中崩れないメイクのコツと裏技
3. 一日中崩れない着物メイクの基本 5つの掟
着物で過ごす特別な一日を、最高の笑顔で楽しむために。まずはメイク崩れを防ぐための基本となる「5つの掟」を心に留めておきましょう。この土台作りが、夕方まで美しいメイクを保つ秘訣となります。
掟1 スキンケアでしっかり保湿する
メイク崩れの意外な原因は、肌の乾燥です。肌が乾燥していると、それを補おうとして皮脂が過剰に分泌され、テカリやヨレを引き起こします。着物を着る日の朝は、化粧水でたっぷりと水分を補給し、乳液やクリームで潤いに蓋をすることが何よりも重要です。肌が内側から潤っていれば、日中の皮脂分泌が抑えられ、メイクの持ちが格段に向上いたします。
掟2 ベースメイクは薄く重ねて密着させる
着物に似合う陶器肌を目指すあまり、ファンデーションを厚塗りするのは逆効果です。厚い層は表情の動きや汗でひび割れやすく、崩れた時に修正が困難になります。化粧下地からフェイスパウダーまで、それぞれの工程で薄い膜を一枚ずつ重ねていくイメージを持ちましょう。スポンジやブラシを使って丁寧に叩き込むように密着させることで、崩れにくい強固なベースが完成します。
掟3 ポイントメイクはウォータープルーフを選ぶ
人混みの中を歩く浅草散策では、汗や湿気でアイメイクが滲みやすくなります。特にアイライナーやマスカラは、汗や皮脂に強いウォータープルーフや、擦れに強いスマッジプルーフと表記された製品を選ぶのが鉄則です。美しい目元を一日中保つため、機能性に優れたコスメの力を借りましょう。
掟4 メイクキープミストを仕込む
メイクの総仕上げとして、メイクキープミストは欠かせない存在です。顔全体に吹きかけることで、メイクの層を肌にぴったりと固定し、コーティングする効果があります。ベースメイクが完成した時点と、全てのメイクが終わった後の二段階で使うと、より強固な崩れ防止効果が期待できます。マスクによる摩擦からもメイクを守ってくれる、現代の着物メイクの必需品です。
掟5 着物の色とメイクの色を合わせる
メイクと着物の色に統一感を持たせることは、洗練された着物姿を演出する上で非常に重要です。全体の調和が取れていると、たとえ少しメイクが崩れても悪目立ちしにくくなります。着物や帯、帯締めに使われている色の中から一色を、アイシャドウやリップなどに取り入れるだけで、ぐっとまとまりのある印象になります。
| 着物の基調色 | おすすめのメイクカラー |
|---|---|
| 赤やピンク系の着物 | ブラウンやゴールドのアイシャドウ、ローズ系のリップ |
| 青や紫系の着物 | グレーやモーヴ系のアイシャドウ、青みピンクのチーク |
| 緑や黄系の着物 | オレンジやコーラル系のチーク・リップ、カーキのアイライン |
| 古典柄など多色使いの着物 | 柄の中の一色(挿し色)をリップや目尻のアイラインに取り入れる |
4. パーツ別 崩れない着物メイクのやり方とコツ
着物姿を一日中、最高の状態で保つためには、パーツごとの細やかな工夫が欠かせません。ここでは、ベースメイクからポイントメイクまで、崩れにくさを追求した具体的な手順とコツをご紹介いたします。
4.1 崩れ知らずの陶器肌へ ベースメイク編
着物メイクの土台となるベースメイクは、まさに「肌の着付け」です。厚塗り感なく、それでいてアラを隠し、夕方まで崩れない陶器肌を作るための手順を見ていきましょう。
| 工程 | アイテムの選び方 | 崩れさせないコツ |
|---|---|---|
| 化粧下地 | 皮脂崩れ防止タイプ | 皮脂の出やすいTゾーンや小鼻に重点的に塗る |
| ファンデーション | セミマット系リキッド or クッション | ブラシやスポンジで薄く均一に叩き込む |
| コンシーラー | 肌より少し暗めの色 | 気になる箇所にだけ点置きし、境目をぼかす |
| フェイスパウダー | 粒子が細かいルースタイプ | パフでしっかり押さえてからブラシで余分な粉を払う |
〇 化粧下地は皮脂崩れ防止タイプが必須
浅草散策では、人混みや慣れない草履での歩行により、予想以上に汗をかきます。皮脂崩れ防止効果のある化粧下地をTゾーンや小鼻、あご周りを中心に薄く塗り込むことで、ファンデーションのヨレやテカリを根本から防ぎます。保湿成分が配合されたものを選ぶと、乾燥による崩れも同時に防げます。
〇 ファンデーションはセミマット系をブラシで薄く
着物のしっとりとした質感には、ツヤ肌よりも品格のあるセミマット肌が似合います。リキッドやクッションファンデーションを、ファンデーションブラシを使って肌の上を滑らせるように薄く伸ばすのがコツです。その後、何もついていないスポンジで優しく叩き込むと、余分な油分がオフされ、肌への密着度が格段に上がります。
〇 コンシーラーで気になる部分だけをカバー
ファンデーションを厚塗りすると、崩れたときに修正が難しくなります。シミやクマ、ニキビ跡など、気になる部分はコンシーラーでピンポイントにカバーしましょう。ファンデーションより少しだけ暗い色を選ぶと、白浮きせず自然に馴染みます。カバーしたい部分に少量乗せ、指やブラシで境目を優しくぼかすのが鉄則です。
〇 フェイスパウダーでしっかり固定
ベースメイクの仕上げは、フェイスパウダーです。粒子が細かく、ほんのりトーンアップする程度のルースパウダーをパフに取り、しっかりと揉み込んでから肌を押さえるように乗せていきます。特に、マスクが当たる頬や、皮脂が出やすい額、小鼻周りは念入りに。最後に大きなブラシで顔全体の余分な粉を払えば、サラサラの陶器肌が完成いたします。
4.2 着物に映える目元をキープ アイメイク編
着物姿では、伏し目になったときの表情も美しくありたいものです。瞬きや汗、涙にも負けない、滲み知らずの印象的な目元を作るテクニックをご紹介します。
〇 アイシャドウはクリームタイプを下地に
パウダーアイシャドウの前に、アイシャドウベース、もしくは同系色のクリームアイシャドウをまぶた全体に薄く仕込みます。この一手間が、アイシャドウの発色と持ちを飛躍的に高め、二重の溝に溜まるのを防ぎます。着物の色柄から一色取ったカラーを選ぶと、統一感のある上品な仕上がりになります。
〇 アイライナーはリキッドタイプで滲み防止
目力を左右するアイライナーは、汗や皮脂に強いウォータープルーフのリキッドタイプが最適です。まつ毛の隙間を埋めるように丁寧にラインを引き、目尻は少しだけ跳ね上げると、凛とした和風美人の眼差しが生まれます。引いたラインが完全に乾くまで、目を大きく開いたり閉じたりしないのが滲ませないための重要なポイントです。
〇 マスカラはカールキープ下地とWPの二刀流
美しい上向きカールを一日保つには、カールキープ力の高いマスカラ下地が不可欠です。ビューラーで根元からしっかりまつ毛を上げた後、下地を塗り、乾いてからウォータープルーフのマスカラを重ねます。この「下地」と「ウォータープルーフ」の二刀流こそが、湿気や汗に負けない最強のまつ毛を作る秘訣です。
4.3 落ちない血色感を演出 チーク&リップ編
浅草での食べ歩きや会話、マスクの着脱で最も落ちやすいのがチークとリップです。肌に溶け込むように密着させ、内側から滲み出るような自然な血色感を保ちましょう。
〇 チークはクリームやリキッドがおすすめ
パウダーチークよりも肌への密着度が高い、クリームタイプやリキッドタイプのチークを選びましょう。指やスポンジで頬の高い位置にポンポンと叩き込むように馴染ませると、マスクで擦れても落ちにくく、湯上がりのような自然な血色を演出できます。仕上げにフェイスパウダーを上から軽く重ねると、さらに持ちが良くなります。
〇 リップはティントタイプで仕込みを
食べ歩きを楽しむなら、リップの「仕込み」が重要です。まず、保湿リップで唇を整えた後、ティントタイプのリップを一度塗り、ティッシュで軽く押さえます。この工程をもう一度繰り返すことで、唇そのものが染まったように色が定着し、カップやストローに色が移りにくくなります。仕上げに中央部分だけグロスを少し乗せると、上品な立体感が生まれます。
4.4 凛とした印象を作る 眉メイク編
顔の額縁とも言われる眉は、着物姿の品格を決定づけます。汗や前髪の摩擦でも消えない、凛とした眉を一日中キープする方法を伝授いたします。
〇 リキッドとパウダーで落ちない眉毛を作る
まず、リキッドアイブロウで眉尻や毛の足りない部分を一本一本描き足し、眉の輪郭を整えます。次に、パウダーアイブロウをブラシに取り、眉頭から眉の中央にかけてふんわりと色を乗せ、立体感を出します。最後に透明のアイブロウコートを眉全体に塗れば、鉄壁の落ちない眉が完成します。着物の雰囲気に合わせ、少し長めのなだらかなアーチ眉に仕上げるのがおすすめです。
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